シノプシスがファーウェイとの取引停止でファーウェイがさらなる窮地に

シノプシスがファーウェイとの取引停止でファーウェイがさらなる窮地に

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シノプシスがファーウェイとの取引停止でファーウェイがさらなる窮地に

半導体設計支援ソフトウエア業界標準ツールを開発・販売しているシノプシスがファーウェイとの取引を停止しました。
これによりファーウェイの製品開発がさらなる窮地に陥る可能性が深まりました。
これに関する話をやさしく説明します。

ファーウェイに関する業界に関する情報を調べていました。
日経新聞の約一週間前の記事ですが『シノプシスもファーウェイ取引停止』とあり、面白そうな題材でしたので取り上げてみたいと思います。

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Saki

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質問者

シノプシスって聞いたことがないのですが。どんな企業なんですか?

では、企業の説明から順をおって説明します。

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Saki

半導体設計支援ソフト業界標準のシノプシスという企業

Saki

シノプシスは、アメリカ合衆国カリフォルニア州マウンテンビューにある企業です。
ゼネラル・エレクトリック社(GE)の Aart J. de Geus博士を中心とするメンバーによって、1986年に設立されました。

家電やスマートフォン向けなどのCPU(SoC – System-on-a-chip)や複雑なLSIなどの半導体設計に欠かせない支援ソフトを提供している企業で、その業界ではデファクトスタンダードとなっている製品もあります。
シノプシスのソフトを使うことで、設計段階からチップ製造段階に至るまでの開発工程に渡ってサポートできます。

日本にもシノプシス100%出資の会社「日本シノプシス合同会社」とその営業所があります。

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質問者

難しいそうな企業ですが、要はスマフォなどの心臓部の設計から製造までカバーしているソフトを提供しているのですね。

そうです!

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Saki

今回の取引停止でファーウェイにどんな影響があるのか?!

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質問者

ソフト自体は使用できるのですよね?

そうです。
もう少し詳しく話しますね。

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Saki

Saki

今回の取引停止後もソフト自体は利用できます。
しかし、バグの改善やバージョンアップなどの一切ができなくなりました

日経新聞の記事によると、ソフトウエアの精度を上げるために毎週のように更新されていたそうです。
しかし、取引停止でその更新ができなくなったのです。

ファーウェイ製品の多くのSoCなどは傘下の半導体大手、海思半導体(ハイシリコン)で作っているのですが、品質の向上が止まってしまいました。
特にスマフォなど新製品の開発が盛んなものは、当然、SoCの開発も同時に行われます。
スマフォなどを分解すると分かるのですが、内部はSoCと入出力のインターフェース回路や電子部品などで構成されていて、SoCがすべての処理を行っていると言っても良いほどです。

つまりシノプシスのソフト群を使う以上、これ以上の新製品の開発は難しくなった。ということです。

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質問者

なるほど!
確かにこれは厳しい状況ですね。

ファーウェイはどう対応するのか

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質問者

ファーウェイはどう対応するのですか?

Saki

ファーウェイは自力で開発すると言っています。

自力で開発するとしても、品質の低下は避けられません。
すでに代替できるソフトの開発済だとしても、シノプシスのソフトと同等の品質になるまで一定の期間が必要ですので、現行の質を担保できるとは思えないからです。

仮にこれから代替ソフト自体を開発するとしても、相当な年数がかかります。
ハード系を扱うソフトの場合、設計、開発、デバッグ、修正、実機検証の後のリリースとなります。
しかし、デバッグ、修正作業だけでも相当の繰り返し数(工数の増加=必要な日数の増加)となり、実機検証でも必ず修正が入るので、すごろくのように、◯マス戻ると行った感じで、何度もデバッグ・修正からやり直すといった作業が行われます。

また、これらの問題点をカバーするために海外にSoCの開発依頼をするとしても、SoCの開発ができる企業は限られますし、米国が黙っていないと思います。

同様に代替ソフトを購入するとしても、即座に変わるものはないです。
必ず設計・開発・製造工程の見直しが必要ですし、そういったソフトを提供している米国以外の会社も販売しないと思われます。

おそらくですが、シノプシスの代わりにシュミレータを使って、ロジックの検証をして開発を進めるのだと思います。ただし、開発速度や品質は低下するものと思われます。
また、当然、代替ソフトの開発も同時並行することを前提に。
現在の中国は高学歴な人材が余っていますので、時間はかかっても対応できるかもしれません。

こういった状況などの判断から、ファーウェイは自力でどうにかすると言っているのだと思います。

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質問者

米国に首根っこを押さえられているのですね!

この状況を打開するとしたら?

Saki

米国政府が米国輸出管理規則(EAR)の対象リストに追加した理由が盗聴等の問題ですから、現在販売されている全製品のSoCなどの設計図も含む回路図などもすべて米国に提供するか、米国政府が信頼もしくは依頼した第三国に提供・検証してもらうしかないです。

自主的にファーウェイの製品をチェックしたという記事は何度かありましたが、いずれも米国政府からの委託ではなので納得しないでしょう。
米国政府も中国政府も信頼している国で、解析できる国または企業は皆無と言って良いので、ほぼ不可能でしょう。

この解析にも半年から数年は時間がかかりますし、相当な費用もかかります。

どのようなケースでも、中核技術が押さえられている以上、EARの解除は厳しいことには変わりありませんね。

ただ、日本もそうですが、調査した政府機関の詳しい調査結果の詳細は公開されていませんし、公開できるものではないです。
公開できないのは、その国の機関の技術・調査レベルが分かってしまうからというのが、一番の理由でしょう。

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質問者

なるほど、すでに詰んでいるのですね。

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